人口1万人の過疎地、宮崎県都農町唯一の都農中学校。
イツノマが総合学習「つの未来学」を担当して5年目。
1年生でまちづくりについて一緒に考え、
2年生でシャッター商店街に人を集める企画を立てて、
3年生で企画を実現します。
7月4日(金)11時。
ただでさえ人通りのないシャッター商店街
平日の真昼間、しかも真夏日の炎天下。
3年生80名が「つの未来学」3年間の集大成「中学生みちくさ市」を!
はじめに
イツノマが「つの未来学」で中学生たちにつけて欲しい力は2つ
①起動力(自らコトを起こし、ヒト、マチを動かす力)
②自営力(自ら稼ぐ力)
3年生になって3ヶ月。
15時間の授業で、昨年2年生のときに立てた企画を実現するために
・マーケティング(商品・価格・売場・販売促進)を考え
・お金の勉強したあと、実際に収支計算をして
・敷地に8台の屋台とテントやテーブルを設置して
準備完了!
11時、実行委員3名が開会宣言!
1.自分たちで考える
起動力のはじまりは
「あ!いいこと思いついちゃった」
そんな思いつきがアイデアに、
アイデアを企画に進化させて、
実現性を増していきます。
中学生が自分たちで考えた企画「未成年の主張」
世の中にある事例を参考にしながら、自分たちなりに「やったら面白そう」「やりたい!」となって実現しました。
自分たちでイベントとしてのルールも考えました。
「みちくさ市」を構成する中学生会社、8社の代表者が、自分たちで決めたテーマに即した「未成年の主張」
ぼくも審査員の1人として、教育長と一緒に各主張を採点!

「都農あるある展」は、自分たちでアンケートをとり、都農にありがちなこと、中学生たちの志向性を展示形式で。
内容、かなり面白かったので、また別の機会にでもまとめようかな。。
視察にきていた教育関係者が熱心に見ていたのも印象的。

2.自分たちで準備する
自分たちの会社が出店する売場の装飾も自分たちで完結。
都農町ならでは、親が生産者のことも多いことがきっかけでできた「◯◯さんちの◯◯」会社。
地元ならでは、伊賀製茶さんと山中菓子舗さんの息子コラボ「伊賀製茶×尾鈴寒らんセット」
伊賀さんと山中さんの中学生向け特別卸値のおかげで、通常2,500円のところ、特別価格1,500円で販売。
20セットは1時間たたないうちに完売!売上30,000円!!

給食で出てきたことがきっかけで、都農町の郷土料理なのにほぼ知られてない「ざぶ汁」に中学生たちが着目して企画。
とはいえ夏には熱いだろうということで、社会福祉協議会の方々にご協力いただき一緒にカレーライスをセットで提供。
朝から一緒に仕込みました。開始2時間ともたず完売!

3.自分たちで創る
ゼロカーボンをテーマに企画した「オリジナルエコバックづくり体験」

自分たちでスタンプを考えて、この世でひとつのエコバックを創る体験プログラムとして提供。

坂田町長には、オリジナルTSUNOバックを創っていただきました!

4.自分たちで盛り上げる
今年のみちくさ市では、昨年の振り返りから、みんなで盛り上がるイベントも企画しました。
「BBB(バケツバスケットボール)」では、ゲスト3人対中学生3人で、どっちがバケツにシュートを決められるか?を競いました。
MCも応援もすべて中学生。
はいっても、はずれても、場内からは笑い声と歓声。

「巨大ジェンガ」会社には、都農町のサッカークラブ「ヴェロスクロノス都農」のサッカー選手が参戦。
学校で苦心して集めたティッシュボックスを貼り合わせて1m以上の高さになった「巨大ジェンガ」を競い合いました。

いままでやったことのない感触。真剣になればなるほど盛り上がりました!

5.自分たちで売り切る
「みちくさ市」の大きなテーマは「自ら稼ぐ」こと
ぼくらが出資した10万円を元手に仕入れたり備品を購入して臨んだ本番。
売上予算達成を目指して、各社、積極的に呼び込みを。
当日の声出しMVPは間違いなくカレーセットを売り切った彼女↓即完!

前日に、イツノマの小林さん(元アパレル店長)から接客用語と発声練習、ロールプレイングの効果もあってか、ひときわ大きな声で呼びかけ。
南国CBFさんが提供して下さった、からあげとチュロスは爆発的な人気!
売れていくにつれて中学生たちの表情がどんどん真剣に、イキイキとしていったのが印象的。

チュロス担当の中学生、最後の1個まで、責任もってつくりきりました!

「BBB会社」が販売した都農ワイナリーベーカリーのパン100個。
事前にベーカリーシェフからも細かくアドバイスをもらいながら、10種類を10個ずつ仕入れたところ、あっという間に完売!
前日、苦労して練習した売上伝票にもちゃんと個数と売上が記録されました

各社、計算ミスが出ないよう、知恵を出し合って伝票づくり。
お釣りも間違いないように。

おわりに
あっという間の3時間。33度近い炎天下で気力も体力も完全燃焼。
会場には中学1年生が全員来たこともあって大変なにぎわい。

かつて生鮮品など売られていたことで「マーケット跡地」と呼ばれている空き地、日ごろは誰一人いない空き地が、笑い声の絶えないマーケットに。

自分たちで創り、自分たちで稼ぐ。
大人になってもなかなかできない体験。
中学生たちがどう感じたのか?
おそらく感想を聞いても「暑かった、疲れた」しか出てこないかもしれないけど、自分たちの企画で人が集まってきた事実や、現金を受け渡した感触はどこかで思い出してもらえると嬉しい。
一緒に汗まみれで準備に奔走いただいた先生
備品の搬出入いただいた教育課・町役場のみなさま
採算度外視で出店・出品・景品提供頂いた商工会、事業者のみなさま
カレー&ざぶ汁調理いただいた社会福祉協議会のみなさま
巨大ジェンガ参加頂いたヴェロスクロノス都農のみなさま
来場いただいた町民のみなさま
北海道、福島、長崎をはじめ遠方から視察にお越しくださったみなさま
宮崎市、五ヶ瀬町、三股町、日向市、川南町の教育関係者のみなさま
猛暑炎天下の中、お越しくださいまして、ありがとうございました!!!

そして、このnoteの素敵な写真はすべて、日南で「ヤッチャの学校」や「宮崎frogs」を実践されているプロカメラマン、きょーちゃんこと杉本恭佑さん。
週間前にぼくらのHOSTEL ALAに友だち連れて泊まりに来てくれて、嬉しいことにプロボノ撮影してくれることに!
きょーちゃん、本当にありがとうございました!!!