人からはじまる、まちづくり

週刊イツノマ

都農中学校の総合学習の多様性、まちづくり教育「つの未来学」

まちづくりと教育の重要性を感じ、イツノマが都農町唯一の中学校、都農中学校でまちづくりとキャリアの未来を考える総合学習カリキュラム「つの未来学」を開講して4年目。

5月10日から、3年生の「つの未来学」24時間がスタートをきりました。

昨年までは年間15時間のカリキュラムでしたが、学校側からの要望も受け、今年から24時間に増枠。まちづくりに必要な地域課題の解決案を探究、企画提案してきましたが、今年から、提案した企画をどう実現するか?に重きをおいたカリキュラムを組みました。

  1. 昨年の学びを深めるための振り返り

「つの未来学」は年度ごとにカリキュラムを作成していますが、1年生から2年生、3年生と連続性をもたせることにも注力しています。

新3年生は、1年生のときから一緒に学んできたのでお互いが何者かは理解が深まってます。とはいえ中学生の特徴として、「すぐ忘れる」ところも否めないので、昨年15時間かけて自分たちで企画してきたことを、イツノマが制作した動画を見ながらみんなで振り返り。

昨年から今年にかけてのテーマは、都農町の商店街を元気にするイベントを考える。

中学校から歩ける距離にある商店街に、みんなで現地調査へ。普段、何気なく通っている商店街も、面積は?方位は?周辺店舗は?という問いを立てながら見ると新鮮。

イツノマの社員は宅地建物取引士、建築士がいるので、不動産・建築のプロの視点で、敷地のどの部分を見て、何を調査するか、現地でレクチャー

商店街のイベントで、敷地の隣にあるお菓子屋さんと類似のものを売ってしまわないように、お菓子屋さんの取扱商品もチェック。

現地調査が終わったら、3チームに別れて、各チームでアイデア100個だし。

1年生のときから、アイデアを出し合うことをしてきたからか、アイデアの出る量や出すまでの時間が驚くほど早く、質もあがってきたことを実感しました。

企画を進めて、最終的には町長や教育長、商店街の人たちにプレゼンするため先生たちも本気でチームに参画。

10時間以上考えてきた企画を10チームから10案、町長や教育長にプレゼン。

パワーポイントでの企画案と、現地調査を踏まえて敷地内のゾーニングや設計案も提案

自分たちが企画提案したことを実現させたい!町長にも直訴して昨年の「つの未来学」は終了しました。

  • 企画を実現させる年に!

その後、先生たちと今年度の「つの未来学」をどうするか、校長先生にも加わってもらい話し合ってきました。先生たちからも、中学生が考えた企画を企画で終わらせずに、実際に商店街の真ん中で実現させてあげたいと熱い思いをいただきました。

ぼくらは、10のアイデアを、プロとしてシミュレーションして実現できそうな4案に絞れば出来ると判断。

先生たちは、時間割をやりくりしながら、9月の平日日中ではありますが、都農中学校として初めて、校外でリアルな町民を相手にお金もやり取りさせるイベントを実現することに。

中学生たちには、初めての発表です。

  • 実現講座その1:会社をつくる

初回の授業では、実際に商店街のイベントを実施するためには、組織をつくったり、お金のことを知ってもらうためのカリキュラムをつくりました。

まずは、会社のしくみから。

会社というと、中学生にとっても聞き慣れない言葉ですが、語源をたどれば「パンを分け合う人々」。つまりは、仲間ということ。ひとつの目標に向かって力を出し合い、助け合っていく仲間のことと説明しました。

会社の中でも株式会社について、

「イツノマの株主って誰でしょう?」

「イツノマの役員って誰でしょう?」

と身近なぼくらを題材に、しくみを伝えます。

社長をやりたい人も何人か手が挙がり楽しみに。各部の希望を挙手で聞いてみたところ、製作部が一番人気。財務部はほぼいませんでした。

そこでお金のしくみについてレクチャーを。

  • 実現講座その2:お金のしくみを学ぶ

まず最初に、ぼくらが会社の経営で日常的に使っている5つの経営用語から説明

漢字ばかり並んでいる言葉を見ていると中学生たちには難しそうな印象。ただし、中学生も日常的に使っているコンビニに置き換えればそれほど難しくない話に。

「みんながアイス買ったら、コンビニにとってはみんながアイスに払ったお金が売上になる」

「コンビニのお店を開けているのにかかっているお金は?」と聞けば「電気代、アルバイト代、家賃」とスムーズに出てきました。

お店にならんでいる商品をメーカーや問屋さんから仕入れるお金も経費に。

利益は、売上から経費を引いて、コンビニに残ったお金のこと。これが一番大事!

投資と利回りは一番聞きなれないことば。イツノマの社員も怪しかったのでは?

これもコンビニに置き換えて、コンビニをオープンさせるためにどんなお金が必要か?想像すれば「建物を建てるお金」「商品を並べる棚」「レジ」などなど。なにかをはじめるために最初に必要になるお金といえば少し理解できた感じが。

利回りは、投資したお金が何年で回収できるか。利益を毎年足し上げていって、投資した金額にたどりつくまで。

次回から、会社にわかれて、それぞれ商店街のイベントで実施する業態にあわせて、投資、売上、経費、利益、利回りの予算を組んでいってもらいます。

投資金額として、数万円はぼくらのほうで用意、イベントが終わったあとの授業で、決算して最終的には報告してもらう予定です。

イツノマでは、上記のようなまちづくり教育を実践しています。

「先端教育」でも紹介いただきました

子ども達が地域社会を創る まちづくり教育「つの未来学」

https://www.sentankyo.jp/articles/36703d12-0584-47ae-804a-4356f91d75f4

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