人からはじまる、まちづくり

場づくり ザ・まちづくり

まちづくりのグランドデザイン

1.グランドデザインとは?

「まちのグランドデザイン」とは、簡単に言うと、パッと見てわかる、まちの未来の姿を描いた設計図です。建物一つ一つの設計図ではなく、まち全体が将来どうあるべきか、どのような機能を持つべきか、どのような魅力を持つべきかといった、長期的な視点での構想を示したものです。

  • 長期的な視点: 概ね20〜30年後、あるいはそれ以上の将来を見据えた構想です。
  • まち全体のビジョン: まち全体の将来像、目指すべき方向性を示します。「人々が安心して暮らせるまち」「活気あふれる産業のまち」「自然と調和した美しいまち」など、様々なビジョンが考えられます。
  • 分野横断的な視点: 交通、産業、福祉、教育、環境など、様々な分野を包括的に捉え、それぞれの分野がどのように連携していくべきかを示します。
  • 具体的な施策の方向性: ビジョンを実現するための具体的な施策の方向性を示します。例えば、「中心市街地の活性化」「公共交通機関の整備」「子育て支援策の充実」などです。
  • 住民参加: まちづくりは住民が主体となって進めるべきものであるという考えから、グランドデザインの策定過程に住民が参加するケースが多いです。ワークショップやアンケートなどを通して、住民の意見を反映させることが重要です。

2.なぜグランドデザインが必要なのか?

  • 長期的な視点でのまちづくり: 目先の課題だけでなく、将来を見据えたまちづくりを進めることで、持続可能な発展を目指します。
  • 分野間の連携: 各分野がバラバラに進めるのではなく、連携しながらまちづくりを進めることで、より効果的な施策を実施できます。
  • 住民の合意形成: グランドデザインを通して、住民間でまちの将来像について共通の認識を持つことで、合意形成を円滑に進めます。
  • 事業の効率的な推進: グランドデザインに基づき事業を進めることで、無駄な投資を避け、効率的にまちづくりを進めます。

3.グランドデザインと関連する計画

グランドデザインは、上位計画(国土計画や都道府県計画など)や、個別の分野別計画(都市計画、交通計画、福祉計画など)と連携しながら策定されます。グランドデザインで示された方向性に基づき、個別の計画が具体的に策定・実施されていきます。

身近な例

例えば、ある市が「自然と共生する持続可能なまち」というビジョンを掲げたグランドデザインを策定したとします。このグランドデザインに基づき、以下のような施策が実施される可能性があります。

  • 公園緑地の整備
  • 再生可能エネルギーの導入促進
  • 公共交通機関のグリーン化
  • 環境教育の推進

このように、グランドデザインは、まちの将来像を描き、具体的な施策に繋げるための重要な指針となるものです。

4.都農町のグランドデザイン

都農町も「都農町グランドデザイン」を策定しており、町のウェブサイトで公開されています。これは、都農町のこれからのまちづくりの方向性を示す重要な資料です。興味があれば、ぜひご覧ください。(https://www.town.tsuno.lg.jp/article?articleId=62f994ccbbb3f56dd95b7f59

都農町のグランドデザインを企画・制作したイツノマでは、グランドデザインが絵に描いた餅で終わらないよう、明日からすぐ起こせるアクション100の提案をしています。

具体的には、まちづくりを構成する主要な10の要素(農と食|経済|移住|観光|子育て|デジタル|医療福祉|学び・人材育成|文化・スポーツ|ゼロカーボン)について、それぞれ10個ずつ、町民と議論をスタートしやすい論点としてまとめています。

「ザ・まちづくり」では次号より、アクション100のアップデート版を10の分野ごとにご案内してまいります。

関連記事

相談してみる TOP